ブダペスト
個人旅行専門のドライバーガイドとしてドイツ、オーストリア、スイスなど、ドイツ語圏を主にご案内していますが、ごくたまに、
ウィーンにいらしたお客様をご案内してハンガリーに足を延ばすこともあります。
ハンガリーという国人口約1千万人、日本の4分のほどの面積で、ヨーロッパの中央に位置し、遊牧に適した
ハンガリー大平原があるために、中央アジアからの遊牧民、スラブ民族、南からのオスマン・トルコといった民族に脅かされ、
そのたびに色々な影響を受けつつ盛衰を経た国になります。
特に、1541年から1699年まではオスマン・トルコの支配下に置かれ、その勢力はウィーンを脅かすほどの勢いでしたが、
その当時の名残は、モスクとして使用されたマティアス教会などに見られます。
また、1867年にはオーストリアと併合され、オーストリア・ハンガリー帝国として一大帝国を作ります。
ちょうどこの時代が、コダーイ、バルトーク、フランツ・リストといった大作曲家が生まれた時代であり、
ブラームス、ヨハン・シュトラウスなども、ハンガリー音楽をその作品に導入しました。
1918年の第1次大戦以降、オーストリアと分離された後、ハンガリー王国として再出発するのですが、
第2次大戦中、ドイツと同盟を結んだため、戦後は社会主義圏の中に入れられました。
とはいうものの、東ドイツなどとは違い、比較的規制の緩い社会主義体制を敷き、他の社会主義国の住民と
比較して、西欧に出ることもそれほど厳しいものではなかったのです。
1989年のベルリンの壁の崩壊は、この国の西ドイツ大使館に立てこもった東ドイツ国民の解放から始まり、
将棋倒しのようにその動きが全東欧に広がっていきました。
観光の見どころは何と言っても、人口約175万人を抱える首都のブダペストの町を見下ろす漁夫の砦、
マティアス教会、英雄広場、国会議事堂、大聖堂、ドナウ川にかかる鎖橋、そして日本人にはうれしい温泉、
ハンガリー料理を味わいながら楽しめる民族舞踏といったところでしょう。
また、時間があれば、郊外に足を運び、ブガシュ・プスタと呼ばれるハンガリー大平原で披露される
乗馬ショーを訪れるのをお勧めいたします。